じいさんばあさん

最近、妻が
「私がばあさんになったらどんな服を着ればいいのか分からない。」
と言うようになった。
悩みの種であるらしい。

僕はといえば
実はもう随分前からじいさんになった時の服装についてはほぼイメージ出来ているのだ。
つまり、上はランニングシャツ、袖が肘近くまである半袖の開襟シャツ、ループタイ。
シャツはランニングが透けるくらい薄っぺらいやつで、白。
下は太めのスラックス、革靴か便所用みたいなゾーリ。
スラックスは濃いベージュか紺。
出掛ける時は、シャツをインして、オリンピック委員長みたいな帽子、金の腕時計。
冬は、ズボン下とかトックリとかを着込んでシャツは長袖。
あとセーターとドテラと耳ホッカ。
じいさんの耳ホッカは良い。
という具合だ。

しかし妻は全くと言っていいほど分からないのだそうだ。
ばあさんの宝庫、病院へ行って観察してみるのだが
あれは派手。あれも派手。
大体が派手なんである。
一見地味そうに見えてもビーズで薔薇とか孔雀が描いてあったりとか。
和服か？
という意見もあったが、それだったらばもう今からでないと大変だきっと。
いっそ、全部ピンクとか。全部。
あのばあさんいっつもピンクよねーとか店員に言われるの。
ピンクばあさんが来た！とか。
でもそんなばあさんストリッパーみたいに言われるのも嫌だしなー。
云々。

しかしまあ、まだまだ時間はあるのだから
いろいろ考えたらいいじゃないか、と思うんである。