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kodokei_05.jpgkodokei_06.jpgkodokei_07.jpg








さてさて
西暦1500年頃、ゼンマイの発明によって時計は飛躍的に進歩しました。
今まで動力が重りだったのが
ゼンマイになり、小さく出来た。と。
置き時計や、懐中時計など
まだまだ高級品とはいえ、だんだん一般的になってくるわけです。

さてさて
そんな機械時計もついに日本に伝来するわけです。
1549年、例のザビエルさんが持って来たらしいと。

それより遡ること約1000年。
日本で最初に時刻を計る機具が登場します。
天智天皇の漏刻です。
これはまあ要するに水時計で
水をチョロチョロ箱に流し込んで、その貯まった量で時刻を計っていたようです。
それを設置した日が、太陽暦に直した6月10日であるので
この日が時の記念日と、されておるわけであります。
へえ。


ザビエルさんの時計。
これは残念ながら現存しておらず
日本に実在する最古の時計は、静岡県久能山東照宮に秘蔵されているもので
1609年、スペインの皇帝から家康に送られたものだそうです。
写真左のやつなんですが
横から見て、歯車が正面に見えるっつうことは
むむむ?
なんでじゃ?


やはり日本人の事ですから
これを真似して作ってみよう!という流れになるわけです。
とりあえず分かんないけど、同じようにやってみよう!
という無邪気な好奇心で作り始めるわけですが
ここで大きな問題。
西洋では、1日を24時間に分ける定時法を用いていたのに対して
当時の日本では、日の出と日没を基準に、1日を12刻(とき)に分ける不定時法でした。
不定時法というのは
日の出から日没を昼、日没から日の出を夜として
それぞれを6等分したのを1刻とするもので
ようするに1刻の長さは毎日違っていたわけです。
で、夜の12時(夜半)、昼の12時(正午)をそれぞれ九ツと呼び
1刻進む毎に八ツ、七ツ、六ツ、五ツ、四ツとなり
再び12時で九ツに戻ると。
なんで減ってくのか、理由ははっきりしていないそうです。
これはこれで面白いので詳しくはこちらも見てみると良いよ。と。

さて
この不定時法のまま、時計を使えるようにしようと
時計師達は苦心したわけです。
そこで発明された物のひとつが
写真真ん中の装置、二挺天符(てんぷ)です。
天符は振り子の速さを決めるところです。
この絵にはありませんが、上の目盛りのところ両端に重りを掛けるんですが
その位置によって速度を変えられると。
例えば
夏ですと、昼が長くて夜が短い。
それによって1刻の長さも昼の方が長くなり
振り子はゆっくりさせねばならん。
逆に夜は早く振らせねばならんと。
そのために天符を2種類用意しといて
朝になったらガチャンと天符が交代すると
そういう装置。

これすげーよね。
超がんばったよね。
しかもヨーロッパ人から見たら、古っ!ってことでしょ。
定時法にすりゃいいじゃん!ってことだろうにさ
こういうの分かるわーっていう気持ちは日本人ならではなのかしらと思います。

その他にも
割駒式文字盤つって
時計の針の速度は変わらずに
文字盤の数字の位置を動かせるのを考えたり。
夏だったらば夜の数字の間隔を狭くするとか。

それから和時計独特の形状の尺時計というもの。
写真右のやつなんですが
これは庶民の時計とでも言いましょうか
他の時計に比べて安いし、使い方も簡単であったそうです。
構造としては、上部に機械、下部が文字盤(割駒式)、動力は重りとなっておるんですが
この文字盤の横から針が出ていて、時間を指すわけですが
その針は重りと一体になっていて
重りが下がると針も下がると。
そいで時間を指すと。
こういう簡単な構造であるわけです。

その他にもね、いーっぱいあります。
まだまだあります。
だからもういいわ。
この本の紹介はこの辺にしときます。

とにかく僕はこの本を読んで非常に感心しました。
なんかいろいろ考えました。
なんもないところから物を作る事。
今ある物を発展させて作る事。
今ある物と同じ物を作る事。
その意味。
うまく言えませんが、そういった事をねボヤボヤーっとしたままだったり
そうか!と閃いた部分もあったり
そうこうしてるうちに返却期限を超大幅に過ぎてしまっているので
さっさと返して来よーっと。
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hyoutan_04.jpgcoffee_hana.jpg








庭で白い花が咲いてます。
可憐です。
乙女です。
儚いです。

左のはヒョータン。
ジャンジャン育っております。

右のはコーヒノキ。
これは2年くらい前に苗を貰って植えたんですが
葉っぱは出てくるんですが、それ以外の変化がなく
なーんだかなあ。
と阿藤さん風に、半ば飽きていたんですが
2週間くらい前から見慣れない何かが出てきていたので注目しておったところ
今朝になって花が埼玉した。
あーあー
咲いてました。

庭ってな良いもんだな。
kangaeru.jpg








例のディ・ヴィックさんの塔時計に関してなんですが
226kgの重りが10m降りるという件について
ちょっと疑問に思う事がありまして
でもまあ長くなっちゃうし、気づかないフリして通り過ぎたんですね。
でもやーっぱり気になるもんで書いておきます。
書いたところで解決するわけじゃないんだけど。

つまりですね
どうやって降りきった重りを巻き上げてたのかなーという疑問。
具体的な文字盤の大きさとかは分からないんですが
けっこうでかいよね、高さ10m以上だもんで。

脱進機を一旦フリーにさせといて時計を逆回転させたー・・・?
とか
一番歯車と二番歯車が噛まないようにしといて
一番歯車の軸を逆に回したー・・・?
とか
えー手でー?
とか
馬かなんかにどうにかして引っ張ってもらったー・・・?
とか

ちょっと検索してみたら
最近のやつだとウィンチみたいなので巻き上げてたらしいんですが
700年前にウィンチ??

たぶん聞いたらなんだー的な答えなんだろうけど
分からん。
あー気になる気になる
とあれこれ考えてたんですが
ふと226kgてどのくらいだ?
僕が55kgくらいだから、僕4人分か
あ、なんだ
なんか何人かでがんばれば
なんとかなりそうな感じの重さだなーなんか。

あ!
重りは1個だと勝手に思ってたけど
20kgのが10個だとすると
紐から外して、滑車かなんか使えば手であげられるよなー。
で、紐だけ巻取って再度重りを引っ掛ければ完了じゃん。
けっこう現実的じゃねこれ。

あーなんかスッキリしたわー。
正解かどうかは置いといて
これ僕案ということでメモっとこー。
kodokei_01.jpgkodokei_02.jpg








さて機械時計の登場。
登場とはいっても機械時計ですジャーン!みたいな登場なわけはなく
ちょっとづつちょっとづつの工夫でやーーーーっと辿り着いた
という感じだと思います。
ロマンすら感じます。
この本『古時計 新装改訂版』によりますと
最も古い機械時計の記録は1360年頃
ドイツのディ・ヴィックさんが作った塔時計であるそうです。

さて機械時計とは、例の歯車をいっぱい組み合わせたやつで
動力源は重りでした。
これが後にゼンマイになるわけですが、この頃はまだない。
一番もとになる歯車の芯に
先端に重りを付けたヒモをグルグル巻き付けますと
重りが落っこちて、歯車が回り始めると。
そういうしくみだもんで、上記の塔時計とか、縦長の形状になってくるわけですね。
ハト時計(ヨーロッパではカッコー時計)とかに
鎖やらヒモやらがぶら下がってるのを見た事あったなーそういえば。

さてさて
ちょっと想像してみます。
重りにしろ、ゼンマイにしろ、いっぱいまで巻取って手を離してみる。
そうすっとどうなるか。
重りはドワーッ!と落っこちるし
ゼンマイはブワーッ!とほどける
時計の針はグルグルグルーッともの凄い勢いで回る。
ディ・ヴィックさんの塔時計の重りは226kg。
これが10m下降するんだから、そんなんもう大事故です。

そこで脱進機という調速装置が発明されたわけであります。
これは歯車の回転速度を遅める為のもので
これによって226kgの重りが24時間かけて10m下降すると。
言ってしまえば機械時計で一番重要な機構であるというわけです。

さてその構造。
これを考えた経緯まではこの本には載ってないんですが
これはこれだけで1冊の本になるよなーきっと。
試行錯誤がいーっぱいあったんだろうなーと想像出来ます。
で、結果的な構造としては画像左のA,B,C,Dに絡んだあたりが脱進機です。
簡単にいうと、ストッパー的な物を
一番もとの歯車に抜き差しすることで
一瞬止まって、一瞬進むを繰り返すというような感じです大体。
画像のA、これが冠型歯車というやつで
CとDがストッパー。
このCとDは、一本の棒にくっついてるんだけど
向きがずれててですね
上から見たら90°くらいの角度に開いてるわけです。
そうすっとね、Aが回ろうとするとCが外れるけど
今度はDが掛かってくる。
でこのAの歯の数は奇数で作ってあるので
対角線上の両端に歯がないので
またDが外れてCが掛かる。
これを繰り返すというわけ。
これによってCとDの心棒はくるっくるっと左右に回転すると
でその心棒にくっついているB、天符(てんぷ)も回転するわけですが
2つの小さい重りがぶら下がっており
これを内外に移動させれば回転の速度を調節出来る。
というわけなんですなー。

全っっっっっっっっ然分かんないでしょ。
僕も何度も何度も読み返してやっと分かったーかもーしれないなー・・・・
という状況です。
とにかくすげーというのは分かったんですが。

さてさて脱進機はさらに進化します。
ディ・ヴィックの約300年後。
オランダのホイヘンスさんが振り子を取り入れたわけです。
右の画像ですね。

ディ・ヴィックさんのは摩擦が多く精度が低かったので
ホイヘンスさんは冠型歯車の向きを変えて
天符の一方を輪っかにして、その中に振り子の竿を通したと
で、天符の回転によって振り子が動く。
振り子の等時性によって規則正しく左右に動くというわけです。
ただ、振り角が大きくなると等時性が期待出来なくなることが分かり
それを抑えるような発明を、さらにしたわけです。
ちなみに振り子の等時性を発見したのはガリレオで
ディ・ヴィックの時計よりも200年程後の事です。
すごいわー人間て。
いろんな人がいろんな方面でいろんな発見をして
さらにそれを組み合わせてどんどん進歩していったのねー。

さあ
脱進機はさらにさらに進化するわけです。
kodokei_03.jpgkodokei_04.jpg








1675年にイギリスのロバート・フックさんがアンクル脱進機を発明しました。
これは冠型歯車に代わるガンギ車という歯車に
アンクルという爪を引っ掛けてストッパーとする機構。
これにより振り子の振り角は非常に小さくなり
精度も急上昇したわけです。
さらに1715年、イギリスのジョージ・グラハムさんがこれに改良を加えたわけです。

そうすっと今度は振り子の方の改良にも目を向けられてくるわけで
つまり温度の変化によって
振り子の振り竿が伸び縮みして速度が変わってしまうと。
なもんで、振り玉に水銀を使ったり
振り竿に2種類の膨張率の違う金属を使ったり
様々な発明がされるわけです。
最終的には伸縮も膨張もしない合金の発明によりこれは解決に至ったと。
発明だらけです。

さてさてアンクル脱進機。
dasshinki_1.jpgdasshinki_2.jpg








これはですね
僕の持っている精工舎の時計の中身。
ここでアンクル脱進機がちゃんと使われてるわけですよ。
これはね、ちょっと感動です。
繋がってるなーと実感。

ゼンマイ式の機械時計だったら目にする機会も多いと思います。
ちょっと見てみると良いですよ。
700年くらい前から進歩し続けた結果があるわけです。
すごいです。

次回予告
そして機械時計はついに江戸へ!

古時計3 判定は、丑三ツです!の巻
ご期待下さい。
kodokei_mizu.jpgkodokei_hi.jpg








図書館で「古時計」というタイトルの立派な本を借りました。
「ふるどけい」ではなく「こどけい」と読みます。

「ふるどけい」というと、所謂昭和っぽい感じのボンボン時計というイメージですが
この本では、そういったボンボン時計は最終的な形で
もーーーーーっと大昔の時計から始まります。

有名なところでは日時計。
棒を立てて、その影でもって時間を知るというやつです。
その発祥は古く、紀元前2000年頃だそうで、古代アテネとかそのあたり。
昔すぎてよく分かりませんが。
しかし曇ってるとどうすんだ。
夜はどうすんだ。
という当然の問題に、古代アテネ人もぶつかったようで
ちゃんと工夫して、水時計というのを考えました。
上に置いた容器の穴から水をチョロチョロ出して
それを受ける容器に目盛りを付けて、貯まった水の量で時間が分かる。
まあなんともアバウトで微笑ましいです。
そもそも、その頃の時間なんてものは
8時とか9時とかでなく
日の出、日の入りがまずあって、その真ん中が正午で
さらにその真ん中、とか
あともうちょいで日没だーとかその程度だったようです。
まさに、そーねだいたいね。という状況。

そこからもうちょい後、紀元前245年ですから
古代アテネより1800年後か。
ちょいじゃないな。
とにかくその頃に発明されたのが、画像左の水時計進化版。
一目瞭然で素敵な構造ですが
注目すべきは、歯車を使った最初の時計だという点です。
紀元前に歯車。
木製でしょうか?
その辺の事は書かれてないんですが、すげーなーと。
ただまあ、下の容器はいっぱいになったら水捨てなきゃだろうし
かといってでかい容器にするかっつったら蒸発してダメだろうし
時計の機能としては当然まだまだなんですが
歯車の発明で、時計以外のいろんな装置も飛躍的に進歩したのでありましょう。
進歩。
周りが完成されてないものだらけの状況って
考えてみたら不便だけど楽しいかもなー。
あ、こうすりゃいいんじゃんだらけ。
ちょっとづつ段差をつければ高いとこに行ける!
階段。
とか
なんか気持ちわりーけど皮むいて食ってみたらうめー!
キウイ。
とか。

話がずれましたが。
その後もいろんな方法で時間を知ろうと人々はがんばりました。
ローソクに目盛りを付けたり
画像右のランプ時計というやつや
17世紀にガラスが発明されると、砂時計も考えられました。
大砲型日時計というやつは
大砲の導火線にレンズの焦点を合わせて真南に向けておくと
正午になったらドーン!と鳴る。

ひとつの目的に向かってるわけですから
方法はいくらでもあるんですね。
かっこいいなー。

さてさてその後、いよいよ機械時計の時代に入るわけですが
また次回。

次回予告
機械時計の発展は、時計を止める技術だった!?
古時計2 時計よ止まれの巻
ご期待下さい。
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